最初に通して聴いた時には,「話の舞台の場所」と「登場人物が複数か単数か」という点しか理解できませんでした.でも,2回目に聴くと,「誰がどこで何をしているか」まで聴き取れ,概要が聴き取れました.
2回聴くと難なく聴き取れることがなぜ,1回目で聴き取りにくいのか,今の私では充分にはわかりませんが,発音,文法,ストーリー展開など総合的な理解が複雑に絡み合っているようです. 以下,私なりに分析した点をまとめてみます.
まずポイントは,最初のセンテンスをどこまで理解できたかということです.英語では最初にテーマを述べることが多いので,ここを聞き落としたり,理解が十分でない場合は以下の内容の理解も困難になります.
第二に,このスキットの文法テーマである「現在進行形」が理解できたかどうかです.現在形と現在進行形では伝える内容が全く異なりますので,現在進行形を聴き取れたかどうかでストーリーの展開を理解できるかどうかが分かれます.
最後に,登場人物について.最初は,Students とだけ述べられていて,不特定多数です.ところが,第3センテンスで,Julia に話題の焦点が移ります.そして,第4センテンスでJulia 昼食をしているのがwith her friends だということを述べておいて,次のセンテンス以降ではJulia を含めてTheyで受けています.つまり,登場人物については,
不特定多数→特定の一人→グループ全体
という設定になっています.内容的にここを聴き取り,しっかりと理解するのがこのスキットでは一番難しかったのではと思います.ここまで完璧にこなすには,代名詞の役割までも理解して習得していなければなりません.
でも,2回目,3回目と数を重ねるにつれ,それまでの学習の蓄積度によってはそれほど難しいことでもなくなるかもしれません.その場合でも,なぜ最初は聴き取れなかったのかを考えてみることにより,思わぬ今後の学習上のポイントがクローズアップされるかもしれません.
このスキットではもう一つリスニングの難易度を左右することがあります.それは,第1センテンスのcafeteria という単語の意味する内容を知っているかどうかです.
私の場合は,正確に知っているかどうかと言われると自信はありませんが,cafeteriaと聞いてイメージできる程度には知っていました.日本でもカフェテリアがずいぶんと普及したので知っている人も多いでしょうが,実際にカフェテリアを利用したことがなければイメージできないと思います.
第2センテンス以降は,school cafeteriaについての説明もかねています.でも,cafeteria を知らずにすべてを聴き取るとなるとかなりのリスニング力を必要とするので,教科書の本文を読んでcafeteriaを理解するのもよいと思います.